成年後見人に家族がなれない理由|選任されにくい事情と備え方が見えてくる!

成年後見人に家族がなれない理由|選任されにくい事情と備え方が見えてくる!
成年後見人に家族がなれない理由|選任されにくい事情と備え方が見えてくる!
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成年後見人に家族がなれない理由を調べている人の多くは、親や配偶者のために自分が動きたいのに、家庭裁判所で専門職が選ばれるかもしれないと聞いて不安を感じています。

成年後見制度は、家族の希望をかなえる制度ではなく、判断能力が不十分になった本人の権利や財産や生活を守るために、家庭裁判所が最も適した支援者を選ぶ仕組みです。

そのため、家族だから当然に選ばれるわけではありませんが、家族であること自体が不利になるわけでもなく、選ばれにくくなる事情を整理すれば準備できることが見えてきます。

この記事では、法定後見で家族が成年後見人になれない主な理由、選任前に見直すべき準備、専門職が選ばれやすい場面、家族として関わり続ける方法を具体的に整理します。

成年後見人に家族がなれない理由

成年後見人に家族がなれない理由の中心は、家族の希望よりも本人の利益を優先して家庭裁判所が判断する点にあります。

裁判所の案内でも、申立書に候補者として書かれた人が必ず選任されるわけではなく、事案に応じて弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門職や複数の後見人等が選ばれる場合があるとされています。

また、厚生労働省の成年後見制度ポータルでも、本人の法律上又は生活面の課題、財産管理の複雑さなどがある場合には専門職が選ばれることがあると説明されています。

本人の利益が最優先

成年後見人の選任で最初に見られるのは、家族がどれだけ本人を思っているかではなく、その人に任せることが本人の権利擁護に本当に合っているかという点です。

民法では、家庭裁判所が成年後見人を選任する際に、本人の心身の状態、生活と財産の状況、候補者の職業や経歴、本人との利害関係の有無、本人の意見など一切の事情を考慮するとされています。

つまり、同居している長男が希望していても、預貯金の管理が複雑で説明資料が不十分であれば専門職が適任と見られることがあり、反対に遠方の子でも連絡体制や支援計画が明確なら候補として検討されます。

家族がなれないと感じる場面の多くは、家族であることが否定されたのではなく、本人の生活や財産を安全に守るために別の関与が必要だと判断された結果です。

欠格事由がある

家族であっても、法律上そもそも後見人になれない人に該当する場合は、候補者として希望しても選任されません。

民法八百四十七条は、未成年者、家庭裁判所で免ぜられた法定代理人や保佐人や補助人、破産者、本人に対して訴訟をし又はした者とその配偶者や直系血族、行方の知れない者を後見人の欠格事由として定めています。

確認項目 見られやすい内容
年齢 未成年ではないか
過去の解任等 家庭裁判所で免ぜられた経歴
破産 破産者に該当しないか
訴訟関係 本人との訴訟の有無
所在 連絡不能ではないか

欠格事由は親族間の感情論とは別の問題なので、本人の世話をしてきた実績があっても該当すれば選任の前提を満たせません。

親族間の対立がある

兄弟姉妹の意見が割れている場合や、申立て前から財産管理をめぐる不信感が強い場合は、家族候補者が選ばれにくくなります。

成年後見人は本人の財産を管理し、契約や支払いに関する判断を行うため、他の相続予定者から疑いを持たれ続ける状況では本人のための支援が争いに巻き込まれやすくなります。

  • 預金通帳の管理者をめぐる対立
  • 介護方針に関する兄弟間の不一致
  • 本人の自宅処分への反対
  • 過去の生活費負担への不満
  • 遺産分割を見据えた不信感

このような事情があると、家庭裁判所は中立性を重視して専門職を選ぶことがあり、家族が生活状況を説明する役割に回った方が本人にとって安定することがあります。

利益相反がある

本人と家族候補者の利害がぶつかる場面では、その家族が成年後見人になると公平な判断をしにくいと見られることがあります。

典型例は、本人と子が共同相続人になっている遺産分割、本人の不動産を家族が買い取る可能性、本人名義の家に家族が無償で住んでいる状況などです。

利益相反があるから家族が絶対に関われないわけではありませんが、本人の利益と家族自身の利益を切り分ける必要があるため、特別代理人や監督人や専門職後見人の関与が検討されやすくなります。

家族候補者が選ばれたい場合は、本人の財産から自分が利益を受ける取引の有無を隠さず、どの行為について別の人の関与が必要になりそうかを早めに整理することが重要です。

財産管理が複雑

本人に複数の預貯金口座、有価証券、賃貸不動産、借入金、事業資産、相続未了の財産などがある場合は、家族だけで管理するには負担が大きいと判断されることがあります。

成年後見人は単に通帳を預かる人ではなく、財産目録や収支予定表を作成し、必要に応じて不動産処分や保険金受取や税務に関わる資料も扱います。

財産の種類が多いと、家族候補者に悪意がなくても記録漏れや判断ミスが起こりやすく、本人の損失につながるおそれがあります。

この場合は、弁護士や司法書士などが財産管理を担当し、家族が身上保護や日常生活の情報提供を担う形の方が、本人にとって実務上の安全性が高くなることがあります。

継続的な事務が難しい

家族が高齢である、遠方に住んでいる、仕事や育児で時間を確保できない、健康上の不安があるといった事情も、選任に影響します。

成年後見は、預金を一度解約したら終わる手続ではなく、本人の判断能力が回復して審判が取り消されるか、本人が亡くなるまで続く長期の役割です。

負担の種類 具体例
時間の負担 定期報告や支払い管理
移動の負担 施設や金融機関への対応
判断の負担 医療や介護契約の確認
記録の負担 領収書や通帳の保存
心理的負担 親族からの説明要求

本人を思う気持ちが強くても、長く正確に続ける体制が見えないと、家庭裁判所はより安定して事務を担える人や法人を選ぶことがあります。

虐待や使い込みの疑いがある

家族候補者に虐待、経済的搾取、通帳の私的利用、年金の不明な引き出し、本人への不適切な接し方などの疑いがある場合は、選任はかなり難しくなります。

疑いが事実かどうかに争いがあっても、本人の財産や生活を守る制度である以上、家庭裁判所は危険を避ける方向で考えることがあります。

たとえば、本人の年金口座から家族の生活費が長期間引き落とされているのに領収書や説明が残っていない場合、本人のための支出だったとしても透明性に欠けると見られます。

過去に家族が立替えをしていた事情があるなら、日付、金額、目的、本人のために使った根拠を資料で示し、感情的に反論するよりも客観的な記録を整えることが大切です。

家族の希望だけでは争えない

申立てのときに家族を候補者として書いても、その家族が選ばれなかったという理由だけで後見開始などの審判に不服申立てをすることはできません。

この点は誤解されやすく、家族としては納得できない気持ちが残っても、制度上は誰を選任するかについて家庭裁判所の判断が重視されます。

裁判所の資料によると、令和七年一月から十二月までに後見開始などと同時に選任された成年後見人等のうち、親族が選任された割合は約十六点四パーセントで、親族以外が約八十三点六パーセントでした。

ただし同じ資料では親族候補者が申立書に記載されていた事件自体が約十九点七パーセントとされているため、数字だけを見て家族が一律に排除されていると理解するのは早計です。

手続前に見直したい家族候補者の準備

家族が成年後見人に選ばれる可能性を高めたいなら、申立て前の準備で本人の生活、財産、親族関係、候補者の対応力を見える形にしておくことが欠かせません。

家庭裁判所は候補者の人柄だけでなく、本人に必要な支援を継続できるか、財産を正確に管理できるか、他の親族との関係が本人の利益を妨げないかを総合的に見ます。

選ばれるかどうかを完全にコントロールすることはできませんが、準備不足で不適任に見える状況は避けられます。

財産資料を整理する

家族候補者が最初に整えるべきものは、本人の財産を一覧で説明できる資料です。

預貯金、不動産、保険、有価証券、年金、借入金、未払い費用、定期的な介護費用などがばらばらのままだと、候補者本人も実態を把握できていないと見られやすくなります。

  • 通帳と取引履歴
  • 固定資産税通知書
  • 保険証券
  • 年金通知書
  • 施設利用契約書
  • 医療費と介護費の領収書
  • 借入金や未払い金の資料

資料をそろえる目的は、財産を多く見せることではなく、本人のためにどの財産から何を支払う必要があるのかを第三者にも分かる形にすることです。

親族の意見をそろえる

親族全員の完全な同意が常に必要というわけではありませんが、近い親族の強い反対や不信感は選任判断に影響しやすい要素です。

特に兄弟姉妹が複数いる場合、誰が通帳を管理してきたか、今後の施設費をどう支払うか、本人宅を売却する可能性があるかなどについて、事前に説明しておくと無用な対立を減らせます。

共有したい事項 理由
本人の現在地 生活状況の理解
医療と介護方針 支出の必要性
財産の概況 疑念の予防
候補者の役割 責任の明確化
連絡方法 情報共有の継続

反対する親族がいる場合でも、感情的な説得より、本人のために何を決めなければならないのかを整理した書面や議事メモが役立ちます。

支援計画を言語化する

家族候補者は、自分が後見人になった後にどのような頻度で何を確認し、誰と連絡を取り、どの費用をどう支払うのかを説明できる状態にしておく必要があります。

本人の生活に近い家族ほど、普段の世話をしているという感覚が先に立ちますが、成年後見人の仕事は生活の付き添いだけではなく法律行為や財産管理の継続的な事務です。

たとえば、毎月の施設費の支払い、年金入金の確認、医療費の精算、通帳記帳、領収書の保管、裁判所への報告準備をどう行うかまで書き出すと、実務を担う覚悟が伝わりやすくなります。

候補者の予定や体調に不安があるなら、連絡補助をする家族や専門家相談先も含めて、無理なく続く体制を示すことが大切です。

専門職が選ばれる場面

専門職が選ばれるのは、家族の愛情が不足しているからではなく、法律、財産、福祉の課題に専門的な判断が必要だと見られるからです。

成年後見制度では、親族以外にも弁護士、司法書士、社会福祉士、法人、市民後見人などが選ばれることがあり、本人の課題に応じて複数の後見人や監督人が関与することもあります。

家族が選ばれなかった場合でも、専門職に任せる意味を理解しておくと、対立ではなく役割分担として制度を使いやすくなります。

法的な課題が重い

遺産分割協議、訴訟、債務整理、不動産売却、賃貸借トラブル、保険金請求などがある場合は、弁護士や司法書士などの専門職が選ばれやすくなります。

これらの課題は書類を出せば終わるものではなく、本人にとって不利な内容になっていないか、相手方との交渉に問題がないか、法的手続の期限を逃していないかを確認する必要があります。

  • 相続人として遺産分割に参加する
  • 本人名義の不動産を売却する
  • 未払い債務を整理する
  • 損害賠償や訴訟に対応する
  • 契約解除や明渡しを検討する

家族が日常生活をよく知っている場合でも、法的な判断が本人の財産に大きく影響する場面では、中立性と専門性を持つ第三者が前面に立つ方が安全です。

財産額が大きい

本人の財産額が大きい場合や、通常使わない預貯金が多い場合は、専門職後見人、後見監督人、後見制度支援信託、後見制度支援預貯金などの仕組みが検討されることがあります。

裁判所は、本人の財産を適切に保護し管理するために、専門職や監督人を選任したり、後見制度支援信託や支援預貯金の利用を検討してもらうことがあると案内しています。

仕組み 役割
専門職後見人 財産管理の中心
後見監督人 後見事務の監督
支援信託 通常使わない金銭の保護
支援預貯金 特別な口座での管理
複数後見 役割分担の調整

財産額が大きいほど家族候補者が疑われるという意味ではなく、金額が大きい分だけ記録、承認、監督の仕組みを厚くする必要があるという理解が現実的です。

生活支援が複雑

本人に認知症だけでなく精神障害、知的障害、医療依存、虐待リスク、住まいの不安定さ、家族関係の断絶などがある場合は、社会福祉士や法人後見が適していると見られることがあります。

成年後見人の役割には財産管理だけでなく、介護サービス契約、施設入所契約、医療機関との連絡、本人の意思や生活歴を踏まえた身上保護の視点も含まれます。

家族が本人の生活をよく知っていても、福祉制度や地域支援との接続に慣れていないと、必要なサービスにつながるまで時間がかかることがあります。

専門職が選ばれたときは、家族が本人の好み、日課、苦手なこと、過去の生活歴、親しい人間関係を伝えることで、専門職だけでは把握しにくい本人らしさを支援に反映できます。

家族が関わり続けるための選択肢

家族が成年後見人に選ばれなかったとしても、本人との関係が断たれるわけではありません。

むしろ制度上の役割と家族としての役割を分けることで、財産管理の責任を専門職に任せながら、本人の生活や気持ちに寄り添う関わりを続けやすくなることがあります。

後見人になることだけを目的にするのではなく、本人の暮らしを守るために自分がどの位置で力を発揮できるかを考えることが大切です。

身上面で協力する

家族が最も力を発揮しやすいのは、本人の生活歴や希望や人柄を後見人に伝える役割です。

専門職後見人は法律や財産管理に強くても、本人がどの食事を好むか、どの親戚との面会を喜ぶか、過去に大切にしていた習慣は何かといった情報を最初から知っているわけではありません。

  • 本人の好きな食事
  • 避けたい医療対応
  • 信頼している親族
  • 過去の仕事や趣味
  • 宗教や葬送への希望
  • 施設で困りやすい行動

こうした情報を定期的に共有できる家族は、後見人ではなくても本人の意思決定支援に欠かせない存在になります。

監督人付きで候補になる

家族に本人の生活をよく知る強みがあり、財産管理の透明性に不安がある場合は、家族が後見人となり専門職監督人が付く形が検討されることがあります。

この形では、家族が日常的な支払い、施設との連絡、本人の生活状況の把握を担い、専門職監督人が報告や重要な財産処分を確認します。

役割 担当しやすい内容
家族後見人 日常支払いと身上把握
専門職監督人 報告確認と助言
家庭裁判所 全体の監督
施設職員 生活状況の連絡
親族 情報共有と見守り

ただし監督人付きになるかどうかは家庭裁判所の判断なので、家族側は監督を嫌がるのではなく、透明性を高める仕組みとして受け止める姿勢を示すことが重要です。

任意後見を検討する

本人にまだ十分な判断能力がある段階なら、将来に備えて任意後見契約を検討する方法があります。

任意後見は、本人が将来支援してほしい人や委任する事務の内容をあらかじめ決めておく制度で、本人の判断能力が不十分になった後に家庭裁判所が任意後見監督人を選任したときから効力が生じます。

法定後見では家庭裁判所が成年後見人等を選びますが、任意後見では本人が元気なうちに信頼する家族を任意後見受任者として契約しておける点が大きな違いです。

もっとも、任意後見でも監督人は家庭裁判所が選び、本人の利益を害するような事情があれば問題になるため、契約書の作成段階から公証役場や専門家に相談しておくと安心です。

申し立て後に後悔しない考え方

成年後見の申立ては、預金解約や施設契約など目の前の困りごとを解決するために始めることが多い手続です。

しかし、いったん後見等が開始すると、その目的が終わっただけで制度をやめられるわけではなく、本人の判断能力が回復するか本人が亡くなるまで続くのが原則です。

家族がなれない可能性だけでなく、制度を使った後の生活や費用や役割分担まで考えてから申し立てることが、後悔を減らす近道です。

目的だけで始めない

成年後見の申立て理由として多いのは、預貯金の管理や解約、身上保護、介護保険契約、不動産処分、相続手続などです。

これらはどれも本人の生活に必要な手続ですが、成年後見は一つの目的を達成するためだけの代理権発行制度ではありません。

  • 銀行手続が終わっても続く
  • 遺産分割後も続く
  • 施設入所後も続く
  • 家族の希望だけでは終了できない
  • 報告義務や費用負担が残る

今すぐ必要な手続だけを見るのではなく、今後数年にわたって本人の生活と財産を誰がどう支えるのかまで見通しておく必要があります。

費用を理解する

成年後見制度では、専門職後見人や後見監督人が選任された場合、報酬が本人の財産から支払われることがあります。

報酬の有無や金額は家庭裁判所が決めるため、家族が専門職を希望していないから払わないという扱いにはなりません。

費用の種類 考え方
申立費用 収入印紙や郵便料
鑑定費用 必要な場合に発生
専門職報酬 家庭裁判所が判断
監督人報酬 監督人がいる場合
書類取得費 戸籍や登記事項証明書

費用への不満は後から大きくなりやすいため、申立て前に本人の収支、施設費、医療費、専門職報酬が発生した場合の見通しを家族内で共有しておくことが大切です。

相談先を早めに使う

家族が成年後見人になれるか不安なときは、申立て直前に慌てて調べるより、早い段階で相談窓口を使う方が状況を整理しやすくなります。

地域包括支援センター、社会福祉協議会、自治体の権利擁護相談、法テラス、弁護士会、司法書士会、社会福祉士会などは、それぞれ相談内容に応じた入り口になり得ます。

相談するときは、本人の判断能力、必要な手続、財産の概況、親族関係、候補者になりたい家族の事情を簡単なメモにして持参すると、一般論ではなく実情に近い助言を受けやすくなります。

最終的な選任は家庭裁判所が判断しますが、事前相談で論点を把握しておけば、家族が候補になる場合も専門職に任せる場合も、本人にとって納得しやすい準備ができます。

家族がなれない理由を知れば次の動きが決まる

まとめ
まとめ

成年後見人に家族がなれない理由は、家族を遠ざけるためではなく、本人の財産や生活や意思を守るために、中立性、継続性、専門性、透明性が求められるからです。

欠格事由、親族間の対立、利益相反、複雑な財産管理、遠方や高齢による継続不安、虐待や使い込みの疑いがある場合は、家族候補者ではなく専門職や監督人付きの体制が選ばれやすくなります。

一方で、家族が本人の生活をよく知り、資料を整理し、親族への説明を尽くし、支援計画を具体的に示せるなら、候補者として検討される余地はあります。

選任結果だけにこだわらず、家族後見人、専門職後見人、監督人、任意後見、身上面での協力という複数の関わり方を比較し、本人にとって最も安心できる支援体制を早めに整えることが大切です。

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